ジェネリック医薬品とは?ジェネリック医薬品とその問題点を知ろう
ジェネリック医薬品とは?
「ジェネリック医薬品」という言葉を聞いたことは
ありますか?
ジェネリック医薬品とは、後発医薬品とも呼ばれていて
製薬会社が開発した医薬品の有効成分の特許が切れた後、
ほかの製薬会社が同じ有効成分を使って作る
医薬品のことです。
つまり、
「特許が切れたから、色々な会社が同じような薬を作った」
ものがジェネリック医薬品というわけです。
新しい医薬品を作るためには、
膨大な開発費がかかります。
そのため、
新しい医薬品を開発した製薬会社は特許を申請し、
開発費を回収するための利益を確保するわけですが、
この特許は20年で切れるため、
新薬が開発されてから20年経てば、
どの製薬会社でも同じ有効成分を使って、
同じような効果がある医薬品を作ることが
できるのです。
厚生労働省がジェネリックを勧めるわけ
厚生労働省は、ジェネリック医薬品の普及を勧めています。
2011年でのジェネリックの数量シェアは22.8%でした。
厚生労働省は、
「平成24年度までに、後発医薬品の数量シェアを30%にする」
という目標を掲げていましたし、2013年4月には
「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」を
発表しています。
なぜ、厚生労働省は、
ジェネリックを勧めているのでしょう?
その理由は、ジェネリックの価格が安いからです。
上記でも説明しましたが、
新薬の開発には膨大な開発費がかかるため、
特許を持っている製薬会社の医薬品は、
高めに設定されています。
しかし、ジェネリックは、開発費がかからないため
薬の価格が安く抑えられているのです。
高齢化社会に伴って、
日本の医療費はどんどん膨らんでいます。
このまま医療費が膨らんでいくと、
国民皆保険の制度が崩壊しかねません。
現時点で、
日本の薬剤費は医療費の20%を占めていますので
ジェネリックを普及させることで、
医療費を抑えようという狙いがあるのです。
ジェネリックの問題点
同じ有効成分を使い、
薬の価格も安いジェネリックですが、
実は問題点もあるのです。
ジェネリックは、
特許が切れた有効成分を使っていますが
全て同じ成分を使っているわけではありません。
同じものは「有効成分」だけですので、
ほかの成分は違うものを使って良いのです。
そのため、従来の医薬品より効果が少ない、
逆に効き目が強いなどの影響が出る危険性があります。
また、新薬の開発には、安全性を高めるための
試験や治験が何度も繰り返し行われて、
ようやく承認されます。
しかし、ジェネリックの場合は治験は行いますが、
安全性の試験は行われていないと言われています。
また、製薬会社によって、
品質に差があることも考えられます。
実際に、2007年の医師へのアンケートでは、
「後発品の品質に問題がある」と答えた医師は54%、
「効果について問題がある」と答えた医師は69%にも
のぼりました。
医療費削減のためには、
ジェネリック医薬品の普及は必要不可欠です。
また、ジェネリックを処方してもらえば、
私たちが実際に薬を受け取る時に支払う金額も
安くなります。
でも、ジェネリック普及の前に、
安全性や効果、品質の問題を
解決しなければいけないのかもしれませんね。