高齢社会には必要不可欠な介護保険制度。介護保険制度がどんなものか知っていますか?
介護保険の自己負担アップ?
2000年4月から施行された介護保険ですが、
今後自己負担分がアップするかもしれません。
現在、介護保険のサービスを受けるための自己負担金は、
一律1割負担となっていますが、厚生労働省は、
「夫婦世帯で年収三百数十万円以上」の場合、
自己負担金を1割から2割にアップさせる方針を固めました。
単身世帯の場合は250万~300万円程度を基準に検討する
としており、対象者は数十万人に上る見通しで、
2015年度からの導入を目指しています。
この介護保険の自己負担金アップの背景には、
介護保険制度に必要な費用が
年々増大していることがあります。
自己負担金を増やすことで、
財源確保をしようというわけです。
介護保険は2000年に開始されましたが、その当時と比べて
2011年の総費用は2.3倍にも膨らみ、
8兆円を突破しています。
また、サービス利用者数も年々増えていて、
2011年は434万人(2000年は200万人以下)となり、
サービス利用者1人当たりの介護給付額は、
年間で約22万80000円になっています。
今後は、さらに高齢者が増加していくため、
介護サービスの自己負担金アップは、
介護保険制度を維持していく上で、
必要不可欠なことなのかもしれませんね。
介護保険制度って何?
14年前に開始された介護保険制度は、
まだまだ新しい制度です。
なんとなく介護保険があることは知っているけど、
具体的にどんな制度なのかは知らない
という人も多いのではないでしょうか?
実際に、自分や家族に介護が必要となったとき、
ある程度知識を持っていると、
介護保険をスムーズに利用できますので、
基本的なことは知っておきましょう。
介護保険制度は、
国民(40歳以上)が介護保険料を支払うことで、
その保険料を財源として、
介護が必要な人たちに介護サービスを提供する制度です。
介護保険料を支払うのは40歳以上ですが、
介護サービスを利用できるのは
65歳以上(第1号被保険者)で、
40~64歳の場合は特定疾患による介護が必要となったときのみ
介護サービスを利用できる仕組みになっています。
介護サービスは、在宅で受けられるものと
介護施設で受けられるものに分かれていて、
在宅では、バリアフリーへのリフォーム助成や
福祉用具の貸与や購入助成、
ホームヘルパーの派遣や訪問入浴介護などあります。
介護施設では、施設へ入居して介護サービスを受ける以外に、
ショートステイやデイサービスの利用などが
主なものとなっています。
介護サービスを受けるためには
介護保険を利用した介護サービスを受けるためには、
要介護認定を受ける必要があります。
要介護認定とは、要支援、
要介護1~5と介護が必要なレベルに応じて
6段階に分類するものです。
要介護認定を受けるには、
まず市町村の窓口に申請しましょう。
申請後に、訪問調査や主治医の診断書などを基に、
要介護認定が決められて、
ケアマネージャーによって介護サービスの計画書が
作成されます。
この計画書が完成すれば、計画書に基づいた
介護サービスを受けられるようになるのです。
介護を行うことは、
身体的、精神的、金銭的な負担が非常に大きく、
介護する側とされる側が共倒れになってしまうケースも
珍しくありません。
介護保険制度を上手に利用して、介護の負担を軽減し、
介護する側とされる側のQOLを保っていくようにしましょう。