韓国で猛威をふるうMERS。MERSの予防や対策を再確認しましょう。
コロナウイルスの特徴と感染経路
MERS(中東呼吸器症候群)が韓国で猛威をふるっています。
6月17日時点で、感染者が162人、死亡者は20人、
隔離は6500人以上となっています。
MERSはMERSコロナウイルスが病原体の感染症で、
2012年に初めて発見された感染症です。
MERSコロナウイルスに感染すると、
2~14日間の潜伏期間を経た後、
発熱や咳、息切れなどの症状が現れ、
下痢などの消化器症状を伴うこともあります。
インフルエンザウイルスは、
上気道でウイルスが増殖して感染を起こすのですが、
MERSコロナウイルスは肺に近い下気道で感染を起こすので、
感染者はウイルスを排出しにくいという特徴があります。
そのため、インフルエンザに比べて
MERSは感染力が弱いとされてきました。
また、今まではMERSコロナウイルスは
ラクダから感染するのが主な感染経路で、
濃厚接触をしない限り、人から人への感染はなかったんです。
でも、韓国では患者のお見舞いに行っただけだったり、
患者と向かい合って10分間話しただけの医師が感染しています。
WHOによるとウイルスの変異はないとのことですが、
中東での感染よりも感染拡大のスピードが速いですし、
韓国と日本は人や物の往来が頻繁ですので、
外国でのことと楽観視するのではなく、
今のうちから徹底した予防と対策が必要です。
MERSの予防法
MERSを予防するにはどうしたら良いのでしょう?
WHOの調査によると、
MERSコロナウイルスの空気感染は否定されていますので、
飛沫感染が感染経路となります。
飛沫感染であれば、マスクの着用と手洗い、
適切な消毒で感染を防ぐことができます。
不特定多数の人がいる繁華街では、マスクを着用しましょう。
このマスクはN95 のような空気感染を防ぐものではなく、
薬局などで売っているサージカルマスクで大丈夫です。
マスクを着用する場合は、鼻や顎をしっかり覆って、
肌と密着させて隙間がないように気をつけましょう。
またマスクをしていても、感染者には不用意に近づかず、
2m以上離れるようにしてください。
また、石鹸でこまめに手洗いをしましょう。
洗っていない手で目や鼻、口の粘膜を触ると、
そこから感染する可能性がありますので注意してください。
MERSコロナウイルスは
消毒用エタノールや次亜塩素酸ナトリウム(塩素系消毒剤)が
推奨されています。
消毒には、これらを使うようにしましょう。
もし、MERS疑いの症状が出たら?
もし、日本にMERSが上陸して、
あなたが気づかないうちに感染し、
MERS疑いの症状が出たらどうすれば良いのでしょう?
MERSは感染症法で2類感染症に指定されていますので、
特定感染症指定医療機関、第一種感染症指定医療機関、
第二種感染症指定医療機関でしか受け入れることができません。
ですから、普通の病院やクリニックに受診してはいけないんです。
また、近くにMERSを受け入れられる医療機関があったとしても、
そこに直接受診すると、
移動中に感染を広げる可能性がありますので、
まずは保健所に電話をしましょう。
そして、保健所の指示に従って行動してください。
韓国で拡大するMERSは致死率40%とされています。
対岸の火事では済まないかもしれませんので、
今のうちから正しい知識を持って、対策をしておきましょう。