大腸がんは腫瘍ができた場所で症状や予後が違う?大腸がんについて知りましょう。
大腸がんが左右で症状が違う
国立がん研究センターによると、
2015年のがん罹患数は全てのがんの中で
大腸がんがもっとも多くなっていて、
13万5800例となっています。
つまり、日本人は大腸がんにかかりやすいのです。
以前は、日本人は欧米人に比べて
大腸がんの罹患数が少ないという特徴がありましたが、
食生活の欧米化に伴って、
日本人の罹患数が増えているんです。
そんな大腸がんですが、
大腸の中でもがんができる部位で
症状が違うって知っていますか?
大腸には盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、
S状結腸、直腸と右下腹部から時計回りにグルっと
お腹を囲むように通っています。
右側にある盲腸、上行結腸、横行結腸と
左側にある下行結腸とS状結腸、直腸では
症状が違うのです。
右側の盲腸や上行結腸、横行結腸にがんができると、
しこりや貧血が主な症状になります。
それに対して、左側にある下行結腸やS状結腸、
直腸では下血や血便、便秘、
下痢などの症状が現れやすくなるのです。
また、便が細くなるのも大腸の左側に
がんができた時の特徴的な症状になります。
大腸がんは左右で生存期間が違う
大腸がんは左右で症状が違いますが、
実は生存期間も違うのです。
アメリカのカリフォルニア大学の研究チームの調査によると、
大腸の左側にがんができた場合の生存期間は
平均33.3ヶ月だったのに対し、
右側は19.4ヶ月しかありませんでした。
また、日本の昭和大学横浜市北部病院の研究では、
左側のに大腸ができた場合は生存期間が
平均36.2ヶ月だったのに対し、
右側の患者は12.6ヶ月でした。
右側にある盲腸、上行結腸、横行結腸と
左側にある下行結腸とS状結腸、直腸では症状だけでなく、
生存期間も違ってくるのです。
これは、悪性度の高いがん関連遺伝子が
右側に多いためと考えられています。
大腸がんは早期発見がカギ
大腸がんは、右側にできるのか、
左側にできるのかで症状や生存期間が変わりますが、
大腸がんの治療のポイントは
「右側にできたか、左側にできたか」ではありません。
いかに早期発見できるかです。
早期発見することができれば、
右側でも完治させることは可能ですし、
左側でも発見が遅れれば、
手遅れになることもあるのです。
大腸がんの症状は左右で違うと言いましたが、
ご紹介した症状は自覚がある場合のものです。
でも大腸がんの約4割は自覚症状がないまま、
人間ドック等で発見されているんです。
つまり、大腸がんを早期発見するためには、
定期的にがん検診を受けることが大切になります。
大腸がんはステージ0~1で見つかれば5年生存率90%以上、
ステージ2でも生存率85%程度と
非常に高くなっていますので、
大腸がんは1年に1回は定期検診を受ける必要があるのです。