食事をするだけで汗ダクダク!?味覚性多汗症を知りましょう。
味覚性多汗症とは?
食事をすると、身体がポカポカと温かく感じたり、
汗をかいたりしますよね。
特に、辛い物や酸っぱいものなどの
刺激が強いものを食べると、
鼻や額に汗をかくことがあります。
これは、生理的な現象で、味覚性発汗といいます。
辛い物や酸っぱい物を食べると、
交感神経が刺激されますので、汗腺が開いて、
汗をかきやすくなるんです。
さらに、食事をすると、栄養素が分解されて、
その過程で熱が産生されますので、体温が上がります。
そのことでも、汗をかきやすくなるんですね。
さて、食事をして、特に刺激物を食べることで、
顔に汗をかくのは当たり前のことです。
でも、「この量の汗でも当たり前なの?」と不安になるほど、
食事をすることで汗をたくさんかいてしまう人がいます。
食事で異常に汗をかいてしまうことを
味覚性多汗症といいます。
味覚性多汗症は
味覚神経への刺激が過剰になってしまうため、
交感神経が優位になりすぎて、
汗をたくさんかいてしまうんです。
味覚性発汗では基本的に顔のみに
汗をかくことが多いのですが、
味覚性多汗症では顔だけではなく
脇の下や全身に汗をかくこともあるんです。
味覚性多汗症の原因は?
味覚性多汗症の原因は、
まだはっきりとは解明されていません。
なぜ、食事をしただけで汗を大量にかいてしまうのかは、
まだ不明なのです。
ただ、味覚性多汗症は精神性の発汗との相乗効果で
汗をたくさんかいているのではないか
と考えられています。
例えば、食事で辛いものを出された時に、
「辛いものを食べたら、汗をたくさんかいてしまうよなぁ。
恥ずかしいなぁ」という不安を持つと、
精神的なストレスとなって、
味覚性多汗症に加えて精神性発汗が加わって、
汗を多量にかいてしまうというわけです。
緊張すると手に汗をいっぱいかいてしまいますよね。
あの精神状態と同じことが、食事の前に現れるために、
味覚性多汗症になってしまうのです。
一度食事で汗をたくさんかいてしまうと、
「また食事で汗をかいてしまうかも」と不安になり、
さらに味覚性多汗症がひどくなり、
さらに不安が増すという悪循環に
陥ってしまうこともあります。
味覚性多汗症の治療法
味覚性多汗症の治療は、
基本的に食事に対する精神的な不安を取り除いて、
精神性発汗の症状を抑えることが優先されます。
なぜなら、
味覚性発汗は生理的なもので病気ではないからです。
そのため、精神性発汗の症状を抑えれば、
味覚性多汗症は改善され、
食事をした時の一般的な量程度の汗しかかかなくなります。
精神性発汗の治療は自律神経を整えたり、
抗不安薬などを服用して、精神安定を図るようにします。
特に抗コリン薬は精神性発汗に効果があるとされていますので、
そのような薬を服用して、少しずつ精神性発汗の症状を抑えて、
食事の時の汗を抑えていくようにするのです。