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PM2.5の健康被害が徐々に明らかに。日本におけるPM2.5対策の問題点とは?




PM2.5は、肺がんの原因に

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中国の深刻な大気汚染の原因であるPM2.5は、
日本にも飛散し問題になっています。

今までPM2.5は、
呼吸器系などに影響があるとされてきましたが、
具体的にどのような影響を及ぼし、
どのような疾患を引き起こすのかは
明らかになってはいませんでした。

しかし、2013年10月17日にWHO(世界保健機関)は、
PM2.5などの粒子状の大気汚染物質には
「発がん性がある」と初めて正式に結論付けました。

これは、WHOの専門機関である
IARC(国際がん研究機関)が発表したもので、
PM2.5などの非常に小さな粒子状の大気汚染物質は、
発がん性のリスクの5段階の危険度のうち、
「肺がんの発がん性がある」という
最もリスクが高い段階に分類されました。

また、大気汚染全体についても、
大気汚染の中で人間が生活を続けると、
「肺がんの発がん性がある」と結論付けていて、
「がんによる死亡の主要な環境要因」と指摘しています。

PM2.5で低出生体重児も増加

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また、スペインで行われた研究で、
PM2.5などが原因の大気汚染が、
胎児の発育にも影響することがわかりました。

スペイン環境疫学研究センターの調査では、
ヨーロッパ12カ国で行われた14件の研究を解析したところ
PM2.5などの微小粒子状物質や二酸化窒素などの
大気汚染の濃度が上昇すると、
胎児が2500g以下の低体重で生まれてくるリスクが
高くなるという結果が出ています。

PM2.5の濃度が1立方メートルあたり
5マイクログラム上昇するごとに、
低出生体重児のリスクは18%増加するとされ、
PM2.5の濃度をWHOの基準値まで抑えれば
低出生体重児のリスクは22%減らすことができると
推計されました。

PM2.5は、喘息や肺がんなど
呼吸器系の疾患を引き起こすだけでなく、
胎児にも影響を及ぼすんですね。

日本でのPM2.5対策は?

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中国でPM2.5による大気汚染が改善されない限り、
偏西風に乗ってPM2.5が日本に飛散することは
避けられないことです。

でも、発がん性があり、
胎児にも影響を及ぼすことが明らかになった以上、
できるだけPM2.5の被害を受けたくないですよね。

日本におけるPM2.5対策は、
空気中のPM2.5の濃度を予測して、
住民に公表すると言うものです。

濃度が高いことがわかれば、
個人でもできる限り外出を避けたり、
PM2.5にも有効なマスクを使用するなどの対策を
採ることができます。

しかし、このPM2.5の濃度の予測方法は、
暫定的なもので限界があると環境省は述べていますし、
濃度予測値点を全国で1300ヶ所にすることを
目標としながらも、
実際は800ヶ所しかないという問題点も抱えていますので、
今後さらなる対策強化が求められています。

ただ、問題点はあるものの、PM2.5の濃度予測は、
PM2.5の影響を避ける上で非常に有効なものですので、
自分が住んでいる自治体の
濃度予測をこまめにチェックして、
PM2.5対策に役立てるようにしましょう。





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2013年11月26日 | カテゴリー:がん 健康全般

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