オットセイや犬の遠吠えのような咳が出るクループ症候群について知りましょう。
クループ症候群とは?
秋から冬にかけての気温が下がる時期は、
どうしても風邪を引きやすくなりますよね。
もし、お子さんが風邪を引いて、
ケンケンと乾いた咳をして喉が痛そうであれば、
普通の風邪ではなく、クループ症候群かもしれません。
クループ症候群とは、喉や声帯がウイルスや細菌に感染して、
気道の粘膜が腫れてしまう病気です。
クループ症候群は大人でもかかる病気ですが、
子供に多いという特徴があります。
子供は大人に比べて気道が細く、気道の組織自体も弱いため、
クループ症候群になりやすいのです。
クループ症候群の症状は、特徴的な乾いた咳です。
ケンケン、コンコンという乾いた咳のほかに
オットセイのような咳、
犬の遠吠えのような咳もクループ症候群ではよく見られます。
特徴的な咳のほかに呼吸困難感や発熱があったり、
声がかれることもあります。
クループ症候群の原因は?
クループ症候群の原因は、ウイルスや細菌感染です。
クループ症候群を起こす代表的なものには、
パラインフルエンザウイルスやアデノウイルス、
インフルエンザウイルス、RSウイルス、溶連菌、
インフルエンザ菌(Hib)などがあります。
クループ症候群は、
パラインフルエンザウイルスやRSウイルスなど
子供がかかりやすいウイルスが原因になることが多く、
特にパラインフルエンザウイルスは
クループ症候群の原因の80%を占めていると言われています。
特に気をつけたいのは
インフルエンザ菌(Hib)によるクループ症候群です。
1~5歳くらいの子供がHibに感染すると、
咽頭蓋炎になりやすいんです。
Hibによる咽頭蓋炎は急激に喉が腫れあがってしまい、
気道が塞がってしまうことがあるんです。
気道が閉塞すれば、呼吸が全くできなくなり、
生命の危機に陥ります。
その場合は、呼吸するための穴を
喉に開ける気管切開を緊急に行わなくてはいけません。
Hibによる咽頭蓋炎の初期症状はよだれが多く出ることです。
お子さんがクループ症候群の特徴的な咳に加えて、
よだれが多く出てきたら、急いで医療機関を受診しましょう。
クループ症候群の治療や予防
クループ症候群の特徴的な咳が見られた場合は、
医療機関を受診する必要があります。
そこで、クループ症候群の原因となった細菌や
ウイルスに対する治療と喉の腫れを取る治療を行います。
自宅では部屋の加湿をして、喉の安静を保つようにしてください。
咳は一種の防御反応ですので、
自己判断で市販の咳止め薬を使うのは
止めておいたほうが良いでしょう。
クループ症候群の予防ですが
Hibやインフルエンザウイルスなどは、予防ワクチンがあります。
特にHibは咽頭蓋炎になった時のリスクが大きいですので、
ワクチンを接種しておいたほうが安心です。
そのほかRSウイルスやインフルエンザウイルスなどの流行時期には、
手洗いとうがいをしっかり行い、
マスクを着用するようにしましょう。