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破裂すると命の危険が高い、恐ろしい「大動脈瘤」について知りましょう。




増加する大動脈瘤

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大動脈は心臓から腹部にかけて位置する
直径2~3センチの太い動脈です。

心臓から送り出された大量の血液を
全身に届ける重要な役割を果たしています。

その大動脈にできたコブを大動脈瘤と言いますが、
胸の辺りにできたもの胸部大動脈瘤、
腹部にできたものを腹部大動脈瘤と呼びます。

この大動脈瘤を持つ患者さんが、近年急速に増加しているんです。

正確な患者数はわかっていませんが、
10年前の約2倍にものぼっていると推測されています。

患者数の増加の背景には、
高齢者の増加と生活習慣の欧米化があると言われています。

大動脈瘤の原因と症状

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大動脈瘤の原因は、ずばり動脈硬化です。

つまり、大動脈瘤は生活習慣病の1つと言うことができるんです。

そのため、高血圧や糖尿病、脂質異常症、喫煙などは、
大動脈瘤の危険因子となります。

大動脈瘤の怖いところは、
基本的に無症状であるという点です。

大動脈瘤があるだけでは、特に痛みなどの症状はありません。

そのため、自分ではなかなか気づきにくく、
健康診断などのレントゲンやCT検査で
初めて指摘される人が多いんです。

また、腹部大動脈瘤の場合、
痩せている人は皮膚の上から触ると
「ドクンドクン」と脈打つのがわかり、
病院を受診して腹部大動脈瘤の診断を受ける場合もあります。

大動脈瘤があっても無症状であれば、
そのまま放置しておいても問題ないのでは?と思うかもしれませんが
大動脈瘤は破裂する可能性があるんです。

大動脈瘤が破裂すると、胸部大動脈瘤では胸部に、
腹部大動脈瘤では腹部に今まで経験したことがないほどの痛みが生じ、
破裂した部分から周囲の組織に一気に出血が広がり、
ショック状態に陥ります。

破裂した場合は、救急車で病院に到着する前に、
命を落とすことも珍しくありません。

直径5センチ程度の大動脈瘤は、
放っておくと1年間で1~5%程度破裂するリスクがあります。

大動脈瘤の治療法

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もし、大動脈瘤が破裂したら、
手術ができる病院に救急搬送しなければいけません。

破裂する前の治療法は、
年齢や大動脈瘤の大きさによって異なります。

基本的に大動脈瘤が5センチ以上だったり、急速に成長する場合は、
手術の適応となり、手術によって大動脈瘤を取り除きます。

5センチ未満だったり、高齢者の場合は、
そのまま経過観察を行って、
定期的な検査で大動脈瘤のサイズをチェックしていきます。

経過観察の場合、重要なのは血圧コントロールです。

高血圧は動脈壁に余計な負荷をかけて、
大動脈瘤が破裂するリスクを高めますので、
適正な血圧を維持しなければいけません。

大動脈瘤を指摘されて、経過観察となった場合は、
必ず定期的に検査を受けて大動脈瘤の大きさを確認しつつ、
健康的な生活を心がけ、
血圧コントロールを行うようにしましょう。





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2014年11月13日 | カテゴリー:生活習慣病

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