子どもはワクチンの有効率が高い!インフルエンザのワクチンや治療薬について知りましょう。
インフルエンザが全国的に流行
冬になると、毎年インフルエンザが流行しますが、
2014~2015年シーズンは例年よりも
流行開始の時期が早くなっています。
2014年12月26日の時点で
インフルエンザの感染者数は140万人を突破していて、
12月中旬の1週間の1医療機関あたりの患者数は
15.17人となりました。
1週間で1医療機関のインフルエンザの患者が10人を超えると、
注意報レベルになりますので、
全国的にインフルエンザの流行が「注意報レベル」に
達したということです。
また、埼玉県では1医療機関あたり
30人を超す「警報レベル」に達していて、
そのほか14都道府県では20人以上の大きな流行となっています。
小児のワクチン接種は有効
今シーズンのインフルエンザウイルスの96%が
香港A型となっています。
この香港A型は残念ながら、
ワクチンの効きにくいとされているタイプです。
でも、 15歳以下の小児であれば、
香港A型へのワクチンの効果が高いことがわかりました。
慶応大学の研究チームが、
11月中旬から12月中旬に関東を中心とした
14医療機関の生後6ヶ月から15歳の受診者で、
インフルエンザ陽性と診断された子どもと
そのワクチン接種率を調査しました。
その結果、A型のインフルエンザ陽性だった109人のうち、
67%がワクチン接種を受けていませんでした。
そして、陰性だった人の接種率などを考慮した結果、統計学的に、
15歳以下のA型に対するワクチンの効果を60%と算出したのです。
つまり、15歳以下の小児であれば、
ワクチン接種をすると6割は発症を抑えられるということです。
インフルエンザのワクチンは接種後2週間経たないと、
効果が発揮されませんが、
インフルエンザの流行は4月頃まで続きますし、
例年流行のピークは1~2月ですので、
15歳以下のお子さんは今からでも
ワクチン接種したほうが良さそうです。
インフルエンザ治療薬の最新事情
インフルエンザのワクチンを接種しても、
インフルエンザを発症してしまうことはあります。
インフルエンザを発症した時の為に、
インフルエンザ治療の最新事情をチェックしておきましょう。
2014年時点で、承認されている抗インフルエンザ薬はタミフル、
リレンザ、イナビルの3種類で、タミフルは内服薬、
リレンザとイナビルは吸入薬です。
タミフルとリレンザは1日2回5日間使用しなければいけませんが、
イナビルは最初の1回の使用だけでOKです。
また、タミフルといえば、子どもへの使用が心配ですよね。
タミフルは10代に異常行動が現れる可能性がありますので、
10代への使用は禁忌となっています。
2014年1月に日本小児科学会は
小児へのインフルエンザの治療方針を発表し、1~9歳にはタミフル
10歳以上は吸引薬のリレンザやイナビルを推奨しています。
1~9歳でも、タミフルを服用している子どもは、
大人が目を離さないようにしましょう。
タミフルもリレンザもイナビルも、
発症後48時間以内の投与が原則になっています。
48時間を超えてしまうと、
体内でのウイルスが抑えられないほど増殖してしまうからです。
まだ予防接種を受けていない人は、
今からでも予防接種を受けたほうが良いですし、
発症したら早めに医療機関を受診しましょう。