失明の危険がある緑内障。緑内障は、自覚症状が出る前に発見することが重要です。
ピルを飲むと緑内障になる?
女性ホルモン剤であるピルは、避妊目的だけでなく、
生理痛や月経前症候群の緩和や生理不順の治療などで
使われている薬です。
ピルは、女性にとって身近な薬であると言えるでしょう。
でも、アメリカ眼科学会の研究報告で
気になるものがありました。
その研究報告とは、
「経口避妊薬(ピル)を3年以上服用している女性は、
緑内障のリスクが2倍に増大する」というものです。
研究報告によると、ピルの種類に関係なく、
経口避妊薬を3年以上服用した女性は、
緑内障と診断される可能性が2.05倍高かったそうです。
経口避妊薬が緑内障の直接的な原因ではないものの、
家族歴や眼圧上昇歴などと共に緑内障発症リスクの
ひとつと考えられると結論付けています。
経口避妊薬を3年以上にわたって服用している女性は、
一度緑内障検査を受けておいたほうが良さそうですね。
また、今後も緑内障発症のリスクが高いことを認識して
何か異常が出たら、
すぐに眼科を受診するようにしましょう。
緑内障とは?
眼圧とは、眼球を一定の大きさ、
形状に保つための眼球内の圧力のことです。
緑内障とは、この眼圧が異常に高くなってしまい、
視神経が圧迫されて萎縮するため、
視野が狭くなる病気のことです。
緑内障の症状には、視野が狭くなるだけでなく、
視野が欠ける(視野欠損)や視力低下などもあります。
緑内障は、両方の目が同時に進行することは稀で、
病気の進行もゆっくりなため、
自覚症状が出にくいのですが、
治療が遅れると失明する可能性もある恐ろしい病気なのです。
緑内障の種類には、
先天性緑内障や炎症や怪我による続発性緑内障のほかに、
眼圧上昇の原因がはっきりとわからない
原発性緑内障があります。
また、最近では眼圧は正常なのに緑内障になる
正常眼圧緑内障も増えています。
緑内障の危険因子には、
上記の経口避妊薬を3年以上服用すること以外に、
血縁者に緑内障患者がいること(家族歴)や
強度の近視、加齢、低血圧や冷え性などがあります。
緑内障の治療
眼圧の上昇により、一度障害を受けた視神経は、
眼圧を下げても元に戻らないため、
緑内障は完治しない病気です。
そのため緑内障の治療は、
症状を進行させないことを目的で行われます。
一般的な治療は、眼圧を下げるために点眼薬を用いますが
点眼薬を用いても硬貨がない場合は、
外科的治療(手術)を行うこともあります。
緑内障は、40歳代で50人に1人、
50歳代で37人に1人、60歳代で21人に1人、
70歳代で12人に1人が発症すると言われています。
緑内障は、自覚症状が出る前の早期発見が重要ですので、
年に一度は検査を受けるようにしましょう。